『学園物語』
『ふぅ〜、今日は終わり・・・』
私、佐倉美青(さくら みお)は2年4組の学級委員で、来週にある「体育祭」の種目選手を決めなければいけなかったのです。
本当ならすぐに終わる事なのですが、私のクラスはもめにもめてしまい・・・結局今までずっと争いが続いていたわけです(とほほ;)
何をもめていたかというと・・・クラスにとても運動神経の人がいい人が2人いるんですが、その二人をどの競技の選手にするかという事。
リレーだの高飛びだの・・・意見が双方から出てきてまとめるので必死でした。
『あ・・・佐倉』
『白・・・どうしたの、こんな時間に』
彼は雪村白(ゆきむら はく)。私の・・・か、彼氏です///
え、えっと!!彼は1組の学級委員で、次期生徒会長といわれてるすごい人なんです。
『今、種目まとめてた所・・・佐倉は?』
『えっと・・・今選手決った所』
どこのクラスもそうだったらしく、今でももめてるクラスがあるらしい・・・体育祭ってこんなに大変だったなんて知らなかったわ;
『佐倉、一緒に帰らないか?』
『え、う・・・うん///』
未だに白とお話しするのは緊張する・・・顔を直視することもできない。
だって・・・だって恥ずかしい!!白ってすっごい綺麗な顔してるんだもん!!
私となんで付き合ってるのかわからないくらいに・・・
自慢じゃないけど、私は頭がいい方ではない。運動は・・・女の子の中ではできる方、だって言われた。
それに、ご飯も作る方より食べる方だし・・・私よりかわいい子や綺麗な子はまわりにたくさんいる。
なのに、白は何で私を選んでくれたんだろ?
時々思っちゃうんだ。白って優しいから・・・断れなくて私と一緒にいるのかな?って
『・・・ら、佐倉?』
『ふぇ?・・・は、はい!!』
『どうしたんだ?気分でも悪いのか?』
『ううん、ちょっと考え事してて』
思わず嘘ついてしまった・・・だって、白に聞けるわけない!!
「私の事好きですか?」
だなんて・・・失礼だよね
『ん〜、今日は疲れたな?競技決めるだけであんなにもめるもんなんだな』
いつもの歩道橋を渡りながら、私達は今日の事を話してた。
どんな事でもめたのか、誰がどんな役にまわったのか・・・色々
色々話したんだけど、よく覚えてない。
隣に居いるだけで緊張しちゃって・・・何話したかなんて覚えてない
『・・・なぁ』
『え、はい!!』
急に白が話しかけるからビックリしちゃったよ・・・
『今日、何かあったのか?』
『・・・別に』
何もないよ・・・いつもと同じ
白の事狙ってた女子達が、私に嫌味言ってきたり階段から落とそうとしたり(私は運動神経いいらしいから、落ちなくってすんだけど)靴隠そうとしたり・・・
『何か、様子が変だからさ・・・』
白に心配かけるなんて・・・私ってば最悪だな
このくらい、考えればわかる事なのに・・・
白に告白して、OKもらって私浮かれてた・・・
だから、こんなコトになったんだ
本当はね、すっごく辛かった
大好きな人の傍にいて、何でこんな事されなきゃいけないのって
けどこんな事、白に言えるわけがない
私、頑張って笑ってるから。だから・・・
だから、そんな顔しないで
『本当に何でもないから、ね!あ、じゃぁ私はここで』
『あ、おい!!』
私は逃げるようにして、この場を立ち去った
白のそんな顔見たくなくって・・・
『おはよう〜・・・』
『あれ、どうしたの?元気ないじゃん』
教室に入ると、友達の「菊榎華翠(きくか はすい)」ちゃんが私を気にしてくれた
昨日の事考えてて・・・ろくに眠れなかった;
いつもはこんな事ないのに・・・なんでだろう?
『ちょっと・・・保健室で休んできたら』
『うん、そうする』
華翠ちゃんに心配かけて・・・私、何やってんだか
『保健室まで遠いよぉ・・・』
私にとって保健室なんてあまり用事なかったから、こんなに遠いなんてはじめて知った
もっと、考えて学校設計してほしいと心から思った。
『ちょっと佐倉さん』
嫌な声が聞こえてきた・・・今一番聞きたくない声
『ちょっといい?』
私に断る権利はない。だったら聞かないでほしいんだけど
結局、いつも通り空き部屋(教室)に呼び出された
『どういう事?あれだけ白には近寄らないでと言ったはずでしょ?!』
『白と楽しく帰ってる所私達に見せ付けて楽しい?』
そんなわけがない、この人たちの事なんて考えてもない
近寄らないでって確かに言われたけど、返事をした覚えはない
この人たちの勝手な言動にすぎない・・・もうやだな
『私達みんな白が好きなの!!なのに・・・なのに何であんたみたいな子が彼女に』
そんなの私が一番聞きたい・・・なんで私なのか
私なんて、かわいくもないし、頭がいいわけでもないし、料理が出来るわけでもない
しいて言えば運動が出来るくらい
そんな子を彼女にもって、何がいいのか・・・わからない
『あんたなんか、白のそばにいること自体間違いなのよ!!』
わかってる・・・わかってるから、それ以上言わないで
もう、聞きたいくないの。もう黙って、私に構わないで
『聞いてるの?!』
一人の生徒が私を叩こうとしてきた
いつもなら簡単によけれるんだけど、今はそんな気力なんてない
もう・・・嫌だな
しばらくたっても、生徒の平手が当たらない
恐る恐る目を開けて見てみると
『俺の彼女に手、上げないでくれる?』
『は、白?・・・なんでここに?』
『わかったら、さっさとこっから消えろ』
目の前に白がいた。偶然しては出来すぎている
夢?これは夢?私は自分の頬をつねってみたけど・・・痛かった
『は、白・・・なんでその子をかばって』
『そうよ!!なんでそんな子を』
半ば混乱しながら生徒達が騒ぎ出した。
『聞こえなかったか?』
何だか、生徒達が顔を引きつらせて出ていっちゃった
ここからは白の顔がよく見えないけど、もしかして白・・・怒ってる?
『あ、あの白』
『やっぱりこんなことだと思ったよ・・・なんで言わなかったんだ?』
ごめんなさいって、謝ろうとしたけど思うように話せなくって黙り込んでしまった
だって、白に言えないよ。苛められてますなんて・・・
恥ずかしいよ・・・
それに白優しいから、きっと自分責めちゃう・・・そんなの嫌だもん
『俺って・・・そんなに信用ない?』
『そんな事、そんな事ないけど・・・』
そんな事ないけど・・・やっぱり不安になるよ
なんで白は、私を選んだのか・・・私の事本当に好きなのか
白は、私にはもったいないくらいのいい人だもん。
『・・・白は、私のどこが好きなの?』
『え・・・』
『私、すっごく不安なの!!だって白すごくいい人だし、頭いいし、運動できるし、かっこいいし、凄く人気だし・・・私なんかが彼女になっていいのかなって』
さっきの生徒達も言ってた。私のどこがいいんだろう?
白の口から直接聞きたかったこと・・・
白に嫌われてもいいから・・・本当の気持ちを知りたいの
『だから・・・その』
『優しい所』
『・・・え』
『嘘が嫌いな所、しっかりしてる所、でも意外に抜けてる所、楽しそうに笑う所』
そんなの・・・誰だってもってるものだよ?
なんで、私なの?白は、なんで私を選んでくれたの?
目が熱い・・・息が上手く出来ない・・・視界が揺らぐ
『そうやってすぐ泣く所とか全部・・・好き』
気付けば私は白の腕の中で泣きじゃくってた。
白は笑顔で私を抱きしめてくれてて、暖かかった
白は、こんな私でも好きでいてくれた。
それだけで、それをわかって嬉しかった
『俺は、そんな佐倉美青が・・・大好き』
『私も・・・大好きだよ白』
後書き
ぎゃーーー!!何書いてるんだ?!ぎゃーーー!!(五月蝿い
もう頭から煙がこみ上げております・・・(もくもく)もうヤバイです!!
結局この話は、カップルになった経験がある人はわかる『自信喪失』ってやつです
怜ゎなったコトないのでわかりませんが、やっぱりあるんでしょうか?(汗
えっと・・・この話は『白&美青編』でしたが、次回は『華翠&赤也編』でいきたいと考えています
次は明るく目指してやっていきますので、よろしくお願いします!!
でわでわ・・・また次会えることを・・・(^v^)ノシ