あっというまの夏休み・・・
楽しかった日々、皆と花火したりお泊まり会したり、白と・・・デートしたり
はぁ、楽しかったよね本当に
宿題さえなければ・・・



『始まった2学期』



『う〜ん、やっと終わったねぇ・・・』
長い長い校長の朝礼が今やっと終わった
一体何が言いたいのか、私にはまったく理解できなかったんだけど
横にいた華翠ちゃんも同じようで欠伸してる
菊榎と佐倉、実はこの間の苗字の人がいなくって席は隣同士なんだ
『ホント、長いよねぇ・・・』
普通に校長の話は始業式の大半をしめる
校歌斉唱だったり表彰伝達だったりあるんだけど、それを短くしなくちゃいけないほどなのです。
やっぱりそれほど校長は偉大と思われてるんだろうか・・・

 
『ふぁ〜ぁ』
学校始まって一番の大あくび
そりゃ、あの長い長い校長の話を聞けば誰だって・・・ね
赤也君にいたっては、ぐっすりとお眠り
近くにいた先生に頭叩かれてたけど、眠っちゃう気持ちもわかるよ
まぁ今日はこれだけで帰れるからよかったんだけど
この後に授業
(化学とか)だったら、わたし危なかったかも・・・
『ふぁ〜・・・きゃっ!!』
『だっ!!おい・・・前方不注意』
私ってばボ〜っとしちゃって、前に人がいたなんて気がつかなかったよ
うぅ・・・その通りです。不注意でした
『ご、ごめんなさい・・・』
前方にいた人は、あまり見覚えのない男の子だった
ネクタイからして・・・ひとつ上かな?
うわぁ・・・背高いなぁ、白と同じくらいかな?
あ、髪の毛銀髪だぁ・・・やっぱり白と同じ色っぽい
眉間に皴寄せてるのは・・・赤也君そっくりかも。
『ん、何人の顔じろじろ見てんの?』
『へ、あっ!!ご、ごめんなさい・・・誰だったかなぁ?って』
う、嘘はついてないもんね!!
う〜ん・・・でも見たことない感じでもないし、見覚えはあるのよ
上で言ったように、あまり見覚えはないけど・・・誰だろ?
【キーンコーンカーンコーン】
『えっ、チャイムッッ!!?嘘、あの時計5分遅れてるじゃない!!』
私は一言、男の子に謝ってから教室へと急いだ
うぅ・・・結局わからず終いだったじゃない!!
というかなんであの時計5分遅れてるのよ!!?
うわぁ・・・新学期早々遅刻なんて嫌よ〜;;;
 

 
『佐倉・・・理由は?』
『・・・み、道に迷いました』
く、くそ〜!やっぱり間に合わなかったよぉ・・・
先生も先生でため息ついてるし。
そ、そりゃ何年この学校にいるんだ?って感じだと思うわ
思うわよ、でも他に理由浮かばなかったんだから仕方ないじゃない!!
『もういい、席に座れ』
『はい・・・』
クラスの皆も小さく笑ってるし・・・バレバレよ〜!!
席が隣な華翠ちゃんは、気の毒にって苦笑してた
うぅ・・・違うのよぉ〜!!

 
先生が軽やかに書くチョークの音が響く
黒板には「今日の提出物」と大きく書かれていた
その横に不提出者ってのも書いてあって・・・
大きく「羽下赤也」って書いてあった
あ、赤也君・・・ひとつぐらい出そうよ
『はぁ・・・』
『どうしたの佐倉、何か一気に疲れたって感じだよ?』
そうなの・・・私は疲れたの
私はさっきあった事を華翠チャンに全部話した
もちろん、あの先輩の特徴も・・・
そしたら『佐倉・・・もしかして惚れた?』って勘違いされて
ち、違うよ華翠チャン、私は白一筋だからっっ!
って、自分で言ってて恥ずかしいよ〜!!
『ふ〜ん・・・それで遅れたのね。』
『そう、もうあの時計は私の敵よ』
手に拳を作って宣言した
華翠チャンは半分呆れ気味に笑ってた
だってあの時計が5分遅れてなかったら私は間に合ったのよ
まったく・・・誰か早く治してくれないかなぁ
『なぁ・・・お前ら何の話してんだ。』
握り拳なんか作って、と赤也君は付け足した
そういえば、まわりから見ればおかしな事よね
私は赤也君にもさきほど会った先輩の事と、あたしの敵!時計の事について話した
赤也君、相槌を打ってはいるけど・・・聞いてくれてるのかなぁ?
すごく眠たそうだし、さっきまで寝てたわね
『へぇ・・・』
『赤也、あんた真剣に聞いてる?』
と私の言いたい事を華翠チャンが言ってくれた
赤也君はそれに面倒くさそうに、当たり前だろって答えた
『そいつの特徴って・・・背が高くって、銀髪なんだろ?』
『うん、それで眉間にしわ寄せた時は赤也君にそっくり』
こんな感じ?と華翠チャンは赤也君の眉間に無理やり皴を作った
ちょっと痛そう・・・赤くなってるし
あ、やっぱり痛かったみたいで赤也君怒っちゃった
『んで、それがどうしたのさ』
『・・・そいつ、知ってるやつかも』
ボソリと赤也君は呟くように言った
知ってるやつ・・・
『え、誰々ッッ?!』
私は自分でも驚くくらいに体を乗り出して赤也君にたずねた
赤也君も驚いてる、華翠チャンも
『おい・・・ひとつ聞いていいか?』
『何々?』
私は、まるで私じゃないように目を輝かせて赤也君にたずねかける
赤也君はそんな私に節目がちに聞いてきた
なんか・・・嫌な予感
『お前・・・惚れたのか?』
だぁーかぁーらぁー!!違うってのこの二人はぁ〜!!
私は、このモヤモヤな気持ちをどうにかしたいから知りたいのであって
別に恋とかじゃないですよ〜!!
私の好きなのは白だけでぇ・・・っと危ない、またやってしまう所だったわ
『んじゃいいんだけどよ・・・』
あいつ、怖い奴だし・・・って赤也君が独り言のようにつぶやいた
怖い?そりゃ眉間に皴寄ってたけど・・・怖いって印象はなかったような
『あいつ・・・』
 


 
 
『くしゅんッッ!!』
『何だ雪村、風邪か?』
別に自分的に風邪を引くような事はしてないし、ただのくしゃみだと思うことにした
隣に座るクラスメートにも、なんでもないとだけ伝えておこう
もしここに佐倉がいれば「誰か噂してるのかな?」って笑うんだろうなぁ・・・
 

今日は特段する事がない
長々しい校長の話を聞いて、自分達のクラスに戻り宿題を提出する
それだけだ
だけど、何だか落ち着かない
この静かだから選んだ教室
(1組以外は騒音が酷い)でも落ち着かないなんてな
廊下から聞こえてくる足音がヤケに気になる
その足音の主が先生だと気付くとホッとする・・・
今日は最悪な日だな、そう思うことにした
と同時に、嫌な音が俺の耳に響く
ガラっという、扉が勢いよく開く音が・・・
『よぉ〜白クン!!元気にやっちゃってるぅ?』
クラスの全員が扉を開けた男、そして俺に注目する
・・・きたか
 



 
『な、何だ今の声は?』
なんか挨拶っぽい声が1組の方から聞こえてきた
私達のクラスは、一組の隣に四組、二組の隣に三組という風になっている
それは一組以外の教室の騒音があまりに酷くて勉強が出来ないから、という理由からだった
2〜5組で一番静かなのは、四組だったらしい
でもでも、その静かで有名な一組からあんな大きな声が聞こえるなんて
事件と言っても過言ではない
実際にほらっ、クラスの皆が驚いてる。もちろん私のその一部です
『あ、赤也・・・あの声って』
『・・・あいつしかいねぇだろ』
赤也君や華翠ちゃんは、あの声の人を知ってるみたいで
何だか項垂れている
あれ・・・そういえば私も聞いたことある声かも
『先生・・・ちょっと様子見てきていいですか?』
こういう時、普通は先生が様子見に行くんだろうケド
先生はあっさり「あぁ、見てこい」と認めてくれた
前に先生が思わずこぼしてしまった言葉を使うと
『俺が行くより、羽下が行ったほうが手っ取り早い。というか楽』
だそうです・・・先生。
 
 

 
『相変わらず仏頂面ですねぇ白ク〜ン、俺っちが会いに来てやったのによ〜!!』
『誰も頼んでない・・・』
『うっわ酷い!!愛する白クンのために遥々HRサボってきてやったのにぃ・・・!!』
なんて言いながら、そいつは俺の目の前に立って泣きまねを始めた
正直・・・ウザかった
誰かにこいつを外に連れ出してほしかったが、先生が唖然としたままこちらを眺めてるだけだし
クラスメートも同じく唖然とこちらを見つめたまま立っているだけだった
あぁ・・・自分でするしかないのか
『あぁ・・・やっぱお前か』
聞きなれた声がした
それも相当不機嫌な時の声だ
うん、これか赤也が来たな・・・と、こいつが立ってるせいで見えない赤也を想像する
『あっれ〜?赤ヤンじゃ〜ん!!元気ぃ?』
こいつは赤也の声を聞くと、泣きまねを颯爽と止め笑顔で赤也のもとへと行った
このまま赤也にくっついて帰ってくれるとありがたいんだけど・・・無理だろうなぁ
『ち、近寄るな変態野郎ッッ!!』
『変態とは失礼だねぇ・・・ねぇ華翠っち』
『お、同じ意見だよ変態がっっ!!』
よほど今の呼び名が気に入らなかったのだろう
華翠は、腕を摩っている
ん・・・あれは、佐倉?
 

 
な、何この人?
さっきと同じ人なんだけど・・・全然雰囲気が違う!!
確かに・・・変態って言いたくなるやも
『あんれ?さっきの子じゃん!!どぉも』
『ど、どうも』
うわ、目があっちゃった!!ってこれは失礼かなぁ・・・
え、えと誰でもいいからヘルプーーッッ!!
『あ、自己紹介まだだったねぇ・・・』
いきなり話ふらないで〜!!
あ、でも本当に自己紹介まだだったし・・・赤也君にこの人の事聞きそびれちゃったしいっかvv
『あ、はい。私は』
『あ、いのいの!!あんたの事は愛しの白クンから聞いてるから』
い、愛しのって・・・は、白は私のー!!って言ったら・・・駄目だよね
っていうかあなた本気で誰ですかッッ?!!
『俺っちは雪村自由
(ゆきむら みゆ)白クンの従兄妹。ちょっと親の都合で愛しの白クンの引っ越してきたから、よろしくなぁ〜!!』



『『『『『『えぇーーーーーーーーーッッ?!!!』』』』』



私含めクラス皆が叫んだ。
華翠チャンと赤也君は、何だか青ざめてるし
白はといえば・・・あっ、ため息ついてる
『最悪だ・・・』
白が呟いた言葉は誰にも聞こえなかった
 
 

 
こうして、二学期が始まりました
何だか不安な要素も増えちゃったけども・・・楽しく学校生活しちゃおう!!
・・・また何かありそうな予感だよぉ!!








後書き
 
えっと・・・何だか新学期が上手に表せなかった怜です
っというか白君キャラが違う?と思うのは怜だけでしょうか?(汗
二学期といえば、秋!秋といえばッという事で続けていけたらなぁ・・・っと思っております
ので!!よろしくお願いいたします^^;