『体育祭日和(前偏)』
ついに始まった第10回体育祭!!
天気も良好、欠席者0という絶好の体育祭日和な日
皆、自分達のクラスを応援して楽しそう!!
『お〜っと、4組の菊榎選手ッッ!!ぶっちぎりの1位です』
只今行われているのは、クラス対抗女子リレーです
一人半周ずつなんだけど、アンカーの人だけ1周走らなくっちゃいけないの
だから、女子の運動部の人達がアンカーに集まることが多い
4組は・・・ちょっと特別だけど
『お疲れ、華翠ちゃん』
『あ、ありがと佐倉ッッ♪』
この子は「菊榎華翠(きくかはすい)」ちゃん。
この高校に来て、初めてできた友達なんだ
すごく優しくって、頼りがいがあって・・・仲良しなの
白との事で色々相談にのってもらったりもしたんだ
あのね、華翠ちゃんはどこの部活にも入ってない子なの
色々な体育系の部活から勧誘うけてるんだけど、全部却下
今は何の部活にも入ってないんだ
『よぅ、お疲れ華翠ッッ!暑っちぃ〜!!』
『よっす赤也!』
後ろの椅子にドカって座ったガラの悪い男の子
周りが彼を見れば一瞬ひいてしまう・・・
っていうか今も思いっきり周りの椅子がひく音が響いたような(特に女子の)
本人気にしてない様子だし・・・
羽下赤也(はもと あかや)君は、ヤクザの一人息子で華翠ちゃんと幼馴染
生まれる前から親同士仲がよくって、小さいときからずっと一緒なんだって
今まで一度もクラスが離れたことがないとかで、これは凄いよね
『お〜っと!!1組の雪村白選手ッッ、障害をなんなくこなしておりますッッ!!』
興奮した実況の声が聞こえた。
白が、まるで普通のリレーのように障害物を越えていっていた
本当は、白頑張ってー!!って応援したいんだけど・・・やっぱりクラス対抗
他クラスを応援したら・・・ね
『おぉー!!白のやつ、頑張ってんじゃん!!』
『頑張れ白ーー!!』
って思いっきり二人共応援してるし・・・!!
『ほら佐倉も』
コソっと華翠ちゃんが私に言った
その時丁度白と目があった
『白、頑張って〜!!』
思いっきり叫んでしまった・・・もう顔が真っ赤だよ///
その後、白は余裕の1位だった
私の応援はいらなかたのではって思ってたら
『応援ありがとな』
って言ってくれた・・・はぅ〜///もう重症です私
『赤也、そういえばあんた何に出るんだっけ?』
『酷っでぇなぁ!!クラスメートの、しかも幼馴染の出場競技くらい覚えてろよ・・・』
『・・・何に出るんだ?』
『うわッ白、お前もかッッ?!』
『クラス対抗男子リレーだよね?』
『そうそう、流石佐倉ッッ!!よく覚えてたよなぁ』
そりゃ、学級委員で種目決めたの私ですからね・・・
白と赤也君は、中学からの仲で(つまり華翠ちゃんとも)すごく仲がいいの
初めはすごく仲が悪くって犬猿の仲って言われてたとか・・・
今はそんな事思えないくらい仲がいい。犬猿って本当なのかなぁ?
なんで犬猿の仲だったかは知らない
今はもう仲がいいから、知らなくってもいいけれど
『・・・ねぇ赤也、なんか来るよ?』
華翠ちゃんが指差す方向、3人の男の子がいた
なんかこっちに向かってくるし・・・しかも恐い雰囲気
白は私を後ろにかばって座ってくれた
赤也君も華翠ちゃんの前に立って守ってる
『なんか用か?』
3人組は赤也君の前に並んだ
赤也君に用があるらしく・・・赤也君と向こうに行っちゃった
『赤也君・・・大丈夫かな?』
『あいつなら、大丈夫だろ』
『そうそう、すぐヘラって笑って戻ってくるよ』
『別にこんな所で話さなくってもいいだろ?』
俺が呼び出されたのは、体育館の裏
昔親父が、何十人っていう生意気な生徒を連れ出して説教(?)したって伝説の場所(らしい)
ここに呼び出した3人組・・・
左にひょろい体だが、迫力はまだあるノッポ
右に体のごつい、これまた背の高い男
そして真ん中に(たぶんこいつがリーダーだろう)太ってて背が小さくって、あまりにも迫力のない男が立っていた。
何でこいつらがこの真ん中のデブに従ってるのか・・・不思議だった
『あの女達、おまえのか?』
真ん中のデブが左のひょろい男にこんな事を言わせた
今時こんな奴がいるんだなぁっとしみじみ思った
『いや、佐倉・・・長い髪の女は雪村の女で、もう片方ははただの腐れ縁だ』
こいつら、あの二人が狙いか?でも何で俺に聞く?関係ないだろう?
『ほぉ・・・ならあの女は彼女じゃないんだな』
『ありえない事言うな』
華翠が彼女・・・考えられない
っというか初めて真ん中の小っこいデブが話したぞ
・・・ん、もっと簡単に呼べって?
じゃぁ・・・左が男A、右が男B、真ん中がデブでいいだろ
『なら、あの女俺達がもらってもいいな?』
華翠を・・・こいつらが?
『ぶ・・・あははははははは!!』
こいつらが華翠をもらう?ありえねぇ!ってか無理無理!!
華翠がこいつらに従うような奴じゃねぇってのは俺が一番よく知ってる
あいつは、こんな奴らは大嫌いだしな・・・
おっと、いきなり笑っちまったからあいつら顔真っ赤にして怒ってらぁ!!
『悪い悪い!!・・・でもなぁ、んな事絶対出来ないぞ』
そう、出来るわけがない。あいつの性格上な
あいつは・・・強さで、暴力で片付けようとする奴達は嫌いだ
こいつらもその類だろう。
『そう言って勝負から逃げる気だろう?!』
『勝負?逃げる?』
男Aが意味不明な事を言い出しやがった。
俺は勝負とか聞いた覚えはないし、ましてや逃げるなんて俺のプライドが許さない
『そうだ…お前リレーの選手なんだろう?』
どこから聞いてきたのか、デブが偉そうに話し始めた。
さっきまで顔を真っ赤にしていたくせに・・・
デブが話すには、華翠の性格をわかってか俺にリレーで勝ったらもらうとの事だった
華翠を商品みたいに言う奴達の言う事を聞く訳じゃないが、売られた勝負は買う!!
これが俺の主義だから・・・悪いな華翠
『俺に勝てるなら勝ってみやがれってんだ・・・』
『あ、赤也!』
不良たちの所から赤也君が戻ってきた
『あのさぁ・・・華翠、ちょっと話あんだよ』
『話?』
なんだか様子のおかしい赤也君に華翠ちゃんは連れられていっちゃった
向こうでなんだか赤也君がヘコヘコ頭を下げてる
華翠ちゃんは、頭を押さえてため息をついていた
『ねぇ白・・・何があったのかなぁ?』
『さぁ、赤也の事だから』
『事だから?』
『バカ野郎—————!!』
『いでッッ!!だから悪いって言ってるだろう?!』
『謝ってすむ問題?!なんであたしが商品まがいな事になってんのさぁ!!』
『勝負を、買ったんじゃない?』
白は、あきれたようにつぶやいた
勝負を買った?て事は・・・さっきの不良と勝負?ケンカするのッッ?!
『けけけけ、ケンカは駄目だよッッ!!』
『うん、ケンカはしないだろう』
『へ?』
白が予想した話と華翠ちゃんが後から教えてくれた話は見事に一致した
けれどなんか華翠ちゃん・・・様子が変だよ?
それと赤也君・・・かける言葉が見当たらないよ
『まったく、あのバカは・・・負けたら承知しないから』
『ははは;』
華翠ちゃんは、ああ言いながらも赤也君は絶対負けないって信じる
さっき約束してたしね
『赤也、もし負けたら』
『俺は絶対に負けない、絶対に!!だから心配すっな』
『・・・バカ』
『続いては、クラス対抗男子リレーです』
アナウンスの声が運動場に響いた
ついに、始まったこの勝負!!
赤也君なら絶対に大丈夫・・・と思ったんだけど
『な、何あれ?!』
さっきの不良たちのクラス5組の選手は、全員何かしらの大会に出ている陸上選手ばっかり
私達のクラスも、頑張っていい選手そろえたケド・・・
『これじゃぁ、赤也君』
『大丈夫』
『へ?』
『あいつの顔が、そう言ってるからね』
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後書き
はい!短編やのに、続くってどうやねん!!みたいな・・・;;;
いや、本当にごめんなさい(ペコリ)
自分でもこんなに長くなるとは思ってなかったので・・・
今頃に体育大会の話?と思われる方いると思うのですが、怜の近くでは今頃に体育大会が行われるのでこの話を作ってみましたッッ!!
今回は、赤也と華翠の話です。この二人は書いてて楽しいですね♪
特に赤也ッッ!!遊びやすい子です。もう、遊びまくってます(やめれ)
続きの方でも、また遊びたいなと思っていますので・・・どうぞ見てやって下さい(笑
でわでわ、また次会えることを・・・(^▽^)ノシ