手を伸ばしても ずっと伸ばしても
届かない場所がある
高〜い高〜い空の雲
とっても綺麗なお月様
いつか そんな想像めいた事が
出来るようになれればいいのに
そう
空高く飛べる
大きな羽根があれば
空に向けて 私は手を伸ばす
『メビウス・ハート』
この世には、いくつかの神話がある。
その中でもっとも信じられている神話・・・
『天国と天使』
小さくってかわいい、白い羽根をつけた子供が空から舞い降りて天国へと導く
言い方を変えれば、不思議な生物が空から降りてきてどこか違う世界へと連れて行かれるともとれる。
その神話を信じない人もいる。
確かに、今の所科学的に解明されていないし、存在が見られた訳でもない。
けどね
私は見たんだよ
真っ白で綺麗な羽根
空からゆっくり降ってきたの
とっても・・・綺麗だった
あたしは待っていた
キミに逢えると信じて
まったく、この世界は何もかもがおもしろくない。
時間がありすぎて、あまりにも静か過ぎて・・・
ここには、『神』という奴がいる。
この世界で一番偉い奴って思っておけばいい。
そいつに気に入られれば、ここでの生活は安心されたと思っていい。
そういう事で、偉くウザったい奴らが最近増えてきた。
最悪だな・・・
今まで楽しいだなんて、あんまり思った事なんてないけど
今の生活に、俺はうんざりだ。
下では『天国に行けば幸せになれる』なんて言ってるが、それは大きな間違いだ。
こんなにも、つまらない世界なんて存在しない。
生きていたときの方が、きっとよかったに違いない。
たとえ生きている時間が短くっても、自分からこの世界に来ようなんて、絶対に思わない。
・・・思ってなかったと信じたい
俺には生きてた頃の記憶がない
ここには記憶なんて必要ない
必要なのは忠誠心
ただひとつ
そう 俺は
俺達は教え込まれた
俺は、行けるはずもない下の世界を見つめた
町の人たちが楽しそうに笑ってて、とっても賑やかそうだ・・・
自由の世界・・・そうこの下の世界は自由に生きれる世界なんだ
俺は勝手にそう信じ込んでいた。
これじゃあ、下の人間と変わらないな・・・
俺は苦笑する
俺も、夢をみたいのかもしれない
現実から逃げたいのかもしれない
俺は届くはずもない世界に手をのばす
もしかすれば・・・と希望を抱いて
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