ただ流れゆくままに
時は過ぎていく
止まることを知らない
誰の声も聞かない
わがままな存在
そう・・・誰の声も
『進むが吉?止まるが吉?』
下へと降りる階段、真っ暗で足元が見えない
暗くずっと下へと続き、まるで地獄への道を歩いてるようだ
地獄なんて行った事もないし、見た事もない
だけど思うのだ・・・もう抜け出せないのではと
クラウンの所でも思った。何故彼らはこんな所に住んでいる?
聞くべきなのか?聞かないほうがいのか?・・・彼らに聞けるだろうか?
「ん?どうしたエルフ」
蝋燭に照らされたクラウンの笑顔がエルフの目に写る
それは、悲しくも綺麗な笑顔に見える・・・何故だろう?
「ううん、大丈夫・・・ちょっと考え事」
そっか、とクラウンはまた笑顔をこぼす
その笑顔・・・シャイに見せたあの笑顔も、全て本物なのだろうけれど・・・痛い
「はぁ・・・シャイのやつ綺麗に片付けとんなぁ!!」
下へとたどり着くと、不思議と先ほどの考えが消えた
一体先ほどの考えは何だったのだろうか?
「埃があらへん・・・」
クラウンがタンスの上を指でなぞる
埃は多少あったが、汚れという汚れはなかった
きっと、最近入れなかったため掃除が出来なかったのだろう
入れれば埃もなかったと考えられる
クラウンの所と真逆であった。クラウンはこの状況に驚いている
「・・・これが羽根か」
クーリエの見る方向に、見覚えのあるカプセルが
クラウンの所にもあったカプセルだ。その中で羽根がぷかぷか浮かんでいる
「そうそう・・・っとと!!」
流石に手が疲れてきたのか、抱っこしているシャイを落としそうになった
しかし腕の中のシャイは一向に起きようとしない
エルフが代わろうか?とたずねるが
「こいつ俺やないとあかんねん」
と苦笑交じりで答えた。
何だか仲間というか、兄妹に見えてくる
優しく笑うその笑顔が・・・
「っという訳で・・・盗賊達はこの辺りをうろうろしてるはずよ」
また羽根を奪われては困ると、どうやって守るか考えていた
ここにずっといてもいいのだろうか?
でも外に出れば奴らの思う壺なのでは・・・?
色々考えが浮かぶ、けれど全部納得できるものではない
それにクラウンやクーリエは戦えるが、エルフやシャイは無理だ
きっと前と同じように捕まってしまう
「う〜ん、どうするか・・・」
3人してウンウンと唸るが結局答えは出なかった・・・誰も何も言わない
「う・・・ん」
クラウンの腕の中で眠っていたシャイが重い目蓋をこすりながら体を起こす
その行動もかわいくてついエルフも頬を染める
「お、起きたか?」
「クラウン・・・?」
まだ霞んでよく見えないのか、しばらくクラウンの顔を見ている
そして・・・
「馬鹿———————!!」
その意外なほどに大きな声で、クラウンをあの小さな体で投げ飛ばしてしまった
クラウンの体は円を描くように、入り口の階段方面へと飛んでいく
それはエルフ達には、スローモーションのように見えた
笑顔でエルフは聞く
「ねぇ、クラウン大丈夫かなぁ?」
クーリエは、小さくため息をつきながら答える
「さあな・・・」
しばらくの間、クラウンは動かなかった・・・
「痛ったぁ・・・ありゃないでシャイ」
「ビックリ、したの・・・」
先ほどまで気絶していたクラウンは、腰と頭を押さえながら戻ってきた
今はシャイの頭に顎を乗せ、皆の輪の中で胡坐をかいて座っている
シャイはというと、クラウンの頭が重いと言いながらも足元にチョコンと座っている
片時も離れない様子だ
「話を戻して・・・これからどうしよう?」
エルフは、カプセルに入れられて羽根を見た
ただ自然と浮かぶあの羽根をどう守るか・・・
「とりあえず、ここは出た方がいいだろう」
クーリエが提案する。
確かにここにいては、場所もばれているだろうから危ない
だからといって、堂々と外に出て行くのも駄目だ
慎重に行動しなければ・・・この前の二の舞である
「それじゃぁ・・・この羽根は誰が持つ?」
その言葉に、皆固まった
誰が持つのが一番いいのだろう?一同は無言になった
そして、まずエルフをエルフ以外の三人が見る
・・・駄目だ
きっとエルフは羽根を何があっても渡さないだろう
だが、それが危険なんだ
クーリエはいちおう、じぃからエルフの保護を頼まれてる立場に無理やり立っているので
怪我をされては困るし・・・クーリエ自身もそれは嫌なのだ
クラウンも同じくそうだ。シャイは・・・女の子だからという理由だ
次にクーリエを三人は見る
・・・駄目だ
きっと、一番まとも人間だし強いから羽根が渡る危険性は少ない
が、やはりそれだけあって狙われやすいのだ・・・だから、却下である
次はクラウン・・・を見ると皆してため息をつく
「なんやなんや!!俺の時だけ!?」
理由は、簡単だ・・・頼りないから
きっと強い、明らかにクラウンは強い。が、お調子者な彼は余裕を見せるだろう
そこをつかれて奪われる可能性は十分ある。つまり無理だ
シャイは・・・考えなくても却下だった
「じゃぁ・・・結局誰が?」
やはり皆して考え込んでしまう
「それやったら・・・」
「おい、お前らわかってるな?」
「あいさ・・・兄貴」
男達の不適な笑みが、すぐ近くにいた
男達が狙うは、もちろんぷわぷわ浮かぶ羽根
男達の手の中には、あの子供達から奪った二つの羽根が・・・
「これ・・・なんか不思議な光ッスね」
「そうだなぁ・・・不思議と力がわきあがってくるぜ」
過弱気ながらも光り輝く羽根を男は乱暴に握る
羽根は力なく折れるが、またもとの姿へと戻る
「お、あいつら出てきたか?」
男達の目線の先には、羽根を奪った子供達の姿が映っていた
「あいつら、キョロキョロと俺達探してるんッスかね?」
「ふん、強いって言ってもまだまだガキだって事だ」
男は勝ち誇ったように笑った
「だが、油断はするな・・・ここは待とうじゃねぇか」
その笑顔に気が付いているのかいないのか・・・子供たちは、教会から出てくる
その懐には、あの光り輝く羽根を持って・・・
「どうや?」
「・・・さぁな」
クーリエとクラウンは慎重に周りを伺う・・・
男達の気配があれば、すぐに戦闘隊形に移れるように
クーリエはエルフを、クラウンはシャイを守るように立っていた
「クラウン・・・」
シャイは黒いフードを深く被り震えていた
外に出る機会なんて、しかも男達がどこから狙ってるかわからないこの状況・・・
シャイには苦しい事なのだろう
「シャイ・・・大丈夫や」
クラウンは、いつもの明るい笑顔で答える
だが、その笑顔にもエルフは不安を感じる
すぐ傍にいるクーリエの腕を強く握る
「ねぇクー・・・本当に大丈夫なの?」
何時にもなく不安げなエルフを見て、クーリエは一瞬驚いた・・・ように見えた
だが、すぐにいつもの顔に戻って・・・回りを伺う
だが、手はエルフの手を握り返すように強く握る
「大丈夫・・・」
その言葉にエルフは・・・安心した
クーリエの言葉は、凄く説得力がある。凄く、落ち着くのだ・・・
「うん・・・大丈夫だよね」
進むべき時がきたのか
止まっておくべきだったのか
その答えはまだわからない
いつか来る答えが
きっと・・・
そう願って彼らは進んだ
next
後書き
・・・何なんですかこの回は?
っという訳で第10回いっちゃいましたぁvv
もぅメルヘンでもファンタジーでもないこの状況・・・どうしよう?(汗
とにかく、こんな感じでこれからも話続くかなぁ?みたいな感じです!!
今日のテーマゎ『進む?止まる?』的な感じです
時々そんな時ないですか?・・・ここって行くべき?って時が!
人生って事でこの話では語ってるんですが、小さなことでもあるんですよこんな事って!!
例えば・・・電車の時間とか!!
走れば間に合うか間に合わないかって時・・・怜ゎ大体止まります。だって走るのはちょっ(強制終了
そんな事を人生に例えて彼らは今回動きました!!って感じに思ってくれればいいかと思いますvv
っと・・・また無駄話が長く><:
でゎでゎ、次また会える事を!!ノシ