初めて聞いたそんな事
ずっと信じてた事が
全てぐちゃぐちゃになった気分
疑うことも必要って
キミはため息をついた
『新たな発見掴みとれ』
あれから、どれくらい時間が経った?
私のいた町はもう見えない
情報収集も必要だけど、長居しちゃうと見つかってしまう可能性もある
そう考えた私達は、とっとと町を出て近くの町へと向かっていた
「ねぇクー、羽根の気配を感じる〜!!とかっていう能力はないの?」
「あればとっくに見つかっているだろう」
そりゃそうだけど・・・私が聞いた話じゃ天使はそういう能力持ってたのよ
だからちょっと期待したっていいじゃない?
私達は、あれから少し仲良くなったみたいで
呼び名も「クー」ってなったの。ちゃんと本人に承諾を得たよ?
まぁ、まだ彼は私の事を「お前」呼ばわりだけどね;
ちゃんと名前で呼んでって言っているのに・・・
「にしても、ここの森は長いわねぇ・・・」
進んでも進んでも、見えるのは木・木・木!!草・草・草!!
さっきまで進んでいた道をやめて、この獣道選んだけど・・・やっぱり間違ったかな?
太陽は、空の真ん中でサンサンと輝いてる。
つまりは正午ってことよね?
結構歩いているのに、町一つどころか道一つ見えてこない
「道に迷った?」
「・・・お前、知ってて進んでいたんじゃなかったのか?」
そんな事あるわけないじゃない!!
私はお城を何度も抜け出してはいたけど、外の世界に出るのは初めてよ
って威張れないわね;
どうしよう・・・これじゃ折角抜け出してきたのにバカみたいだわ
「う〜ん・・・あ、森抜けたみたいよ」
さっきまでの道とは変わって、人の道が広がっていた
そして、その道の先には
「町〜!!ほら、やっぱりこの道で正解だったじゃない♪」
「迷ってたくせに威張るな」
うっ;それはそれ、これはこれよ!!
そんな事より、この町意外に都会っぽいわ
もしかしたらいい情報あるかもしれない
「さぁ、行きましょう」
「なんだ、これは?」
「うわ〜!!すごいわねぇ、お祭りかな?」
町に入ると、町人がみんな踊りや宴で大騒ぎ
明るい音楽も流れてて、すごく楽しそう!!
「お譲ちゃん達、ここは初めてかい?」
ふと、いつからいたのか深くコートを被ったおじさん(?)が話しかけてきた
このお祭りには似合わない、暗いオーラを放ってた
「今日は、年に一度のウィング祭りだよ。ほらあれを」
コートの人が指差す先には、羽根を大事そうに抱えている女天使の像があった
とても穏やかな表情をしていて、思わず見とれてしまう
「はるか昔、まだ天使と人間が同じように住んでいた時にいた神の像だといわれているんだよ」
「え、人間って天使と一緒に暮らしてたの?!」
これは初耳だわ、お話でもそんなの聞いた事なかったし・・・
「はっはっはっ、お譲ちゃんはこういう話は好きかい?隣の坊ちゃんは興味なさそうだねぇ」
コートの人は嬉しそうに話してくれた
昔々、それは人間と天使との境界線がなかった時代
どちらも地上に住んでいたのです
私たち人間と天使は仲良く暮らしていました
しかし、ある人間が天使の羽根を持ってしまいました
えぇ、昔から天使の羽根には不思議な力があるといわれています
ですから、昔も境界線がなかったはいえ羽根に触れることは禁止にされていたのです
しかし、その人間は触れてしまい・・・世界は荒れ狂いました
星のどこかで戦争が、終わればまた違う場所で争いが・・・
『チキュウ』という星でいう『センゴクジダイ』というものです
天使たちは逃げ惑いました
そう、人間達は争いに勝つために天使の羽根を奪おうと考えたんです
天使たちは考えました・・・ここにいてはいけない
あの頃の人間達はもうどこにもいない
いるのは、勝つという事に囚われた生き物でしかない
そこで、ある天使がこんな事を言いました
雲の上に逃げよう、そうすれば人間達は追ってこれない
他の天使たちは一斉に頷き、すぐ行動に移しました
結果、人間達は天使たちのいなくなった世界を見
自分達の犯した過ちを、知りました
しかし・・・もう遅すぎたのです
その後、天使たちとはもう二度と会えなくなってしまいました
「それが、今日と同じこの日だったと言い伝えられているんです・・・」
「そうだったの・・・」
「それで、人間達はせめてものお詫びにと開いたのがこのお祭りです。今ではただのカーニバルになっていますがね・・・」
「へぇ・・・」
「おや、坊ちゃんも少し興味が出てきましたか?」
「坊ちゃん・・・?」
クー、今まで何も聞いてないと思ってたけどちゃんと聞いてたんだね
そしてコートの人・・・クーはもう坊ちゃんって歳じゃないと思うわ;
それより、私もお譲ちゃんって歳じゃないわ!!もう立派なレディよ!!
「でわ、私はこれで・・・存分に楽しんでください」
そういうとコートの人は静かに去って行った
「変な人ね・・・」
こんな賑やかな日にあんなコート着てる自体、変な人なんだけど
あのコートの人が話していた事
あんなの初めて聞いたわ・・・
私がよく聞いていたお話は、天使たちと仲良く暮らしているお話だもの
人間達とそんな争いがあったなんて、思いもしなかった・・・
「おい、もしかして今の話・・・信じてるのか?」
「何、クーは信じてないの?」
「はぁ・・・さっさと行くぞ」
何でそこでため息つくかなぁ?
・・・私、何かおかしな事言った?
「すごい人だな・・・」
そりゃお祭りですからね、皆盛り上がってるわぁ!!
っと、私たちの任務は羽根を盗んだあの盗賊の情報収集だったわ;
「さっきの人に聞けばよかったわねぇ」
さっきのコートの人、怪しかったとかはいえ物知りだし・・・何か知ってたかもしれない
何で気が付かなかったんだろ?
さっきの人探すのも一苦労だし・・・どうしよう
初めから考えて行動しなくちゃなのかな
けれど、それは私じゃない気がする・・・
「クー、どうし」
ガシャーンッッ!!っと祭りには不向きな音が響いた
音のした方には人だかりが・・・何かあったのかしら?
「クー、行ってみよう」
ため息をつきながらも、クーは私の後をついて来た
何だかんだ言いながら、付き合ってくれるんだもの
クーって優しいのね
「すいませ〜ん、ちょ、ちょっと前にぃぃ!!」
人だかりをなんとか通り抜け私たちが見たのは、酔っ払いが子供に絡んでる所だった
何があったのか知らないけど、子供を苛めるなんて大人のする事じゃないわ!!
「おい、どうする気だ?」
「決まってるでしょ、あの子供達を助けるのよ!!こ〜らそこのおじさん!!」
私が勢いよく出ていくと、酔っ払いがこっちを向いた
もう目がいっちゃってて、話なんてまともに出来そうもなかった
「んぁ?!なんだぁ?ガキは黙ってろってんだ・・・」
「ガキ?!・・・さっきのコートの人といい、おじさんといい私を子ども扱いしてぇ!!」
後ろでクーが「子供だろうが」って言ってきた
町の人達も頷いてるし、酷いッッ!!
私はもう16よ?!子供の域をとっくに越してる大人なんだから
「とにかく、その子供達に乱暴しないで!!相手なら・・・クーがするから」
「俺かよ?!」
「だってクーなら強いでしょ?」
「そういう問題か?俺は面倒事は嫌いだ」
しばらく二人して、漫才かってくらいに言い合っていたような・・・
結局クーが負けて酔っ払いの相手になることに
つまりあの酔っ払い、子供達をこっちに渡すつもりはないって事
なんて大人なの?子供の見本になるのが大人の役目でしょ?
「とりあえず、あいつを倒せばいいんだな?」
「そうそう!一瞬でやっちゃえ!!」
これが一国の王女かって言葉を私は吐き捨てた
・・・今はただの一町人ですから、ごめんねじぃ
「ヒック…兄ちゃん相手でも手加減しねぇぞ」
「別にいい」
そういうと二人は向かい合った
何だか、クーがやる気なさそうだけど・・・まぁいいわ
町の人たちが見守る中、二人のケンカは始まった・・・
「こらー!!そこ何してるんだ?!」
「ゲッ!警察?!」
「ケイサツ?」
「えぇー!捕まるのは嫌よ!!」
「こっちやッッ!」
上から警察、酔っ払い、クー、私・・・誰?
一番下の言葉を話した人が、私の手をひっぱりどこかの路地裏へと連れて行ってくれた
警察の意味がわからず、首を傾げていたクーももちろん一緒に
おかげで警察に捕まらなかったけど・・・本当に誰?
「いや〜、危ない危ない・・・何とか逃げれたな」
「え、あの、えと」
コートを被った男の人・・・じゃなくて男の子
さっきと見た目は同じだけど、話し方が違う
今この格好流行ってるのかなぁ?
「ん?あぁ、あんたらも気ぃつけや!!今祭りやから皆興奮してんねん…ってさっき言えばよかったなぁ、堪忍な」
さっき・・・?
「にしても、あんたらホンマおもろいなぁ!!メルヘンな話信じるわ、酔っ払いにケンカ申し込むわ、気に入ったわ♪」
メルヘンな話って事はやっぱり・・・あのコートの人と同一人物?!
でも言葉使いは異なるし、雰囲気がまったく違うような
えっと、どうすればいいの?!
頭が混乱してぐちゃぐちゃになってきちゃう〜!!
「おい、二つ質問していいか?」
「お、なんや?俺でよければ答えるで♪」
そうそう!!質問すればよかったのよ
なんで、それが浮かばなかった私
「あの話は本当か?」
「あの話?あぁ、あのメルヘン話か・・・あんなん嘘に決まってるやん♪」
嘘————?!
この人、あんなに深刻に話しておきながら嘘だなんて・・・
もの凄い笑顔で言ってくれて・・・
Σは、もしかしてあの時のクーのため息って
「嘘に決まってるだろ」
っていう意味だったの?!
私、本当の話だと思ってたのに・・・なんか悲しくなってきた
「あはは、悪い悪い♪んで、もう一つは?」
クーは自分で説明するのが面倒なのか、私に説明するように言ってきた
「あのね、私達の大事なものがある盗賊に盗まれたんだけど・・・何か知らない?」
「盗賊?今の時代盗賊なん、ごまんといるからなぁ・・・そいつらの特長とかわかるか?」
特徴・・・ヘリで逃げた意外に何かあったかなぁ?
3人組、全員男達・・・あとは
「腕に変な刺青していたわ、変な輪っかの中に弓が刺さってるの」
「そりゃ最近になって名をあげた奴らやなぁ…俺の所にも盗みに入りやがった、まぁ追い返したったけどなぁ♪」
あはは♪って笑ってますけど、そんな明るく言えることでもないような気がするんだけど;
「でも、何を盗まれそうになったの?!」
「・・・こっち、ついてきたらわかるで」
そういって、その男の子は路地の奥へと進んでいった
私達はついていこうか迷ったけど、行く当てもなかったのでついていく事にした
新たな発見を
見つければ話は進む
物語にエンドはない
いつまでも発見があり
物語があるのだと思う
next
後書き
はい、サクサクッときてしまいました第5回目!!
もう自分でも何が言いたいのやらわからなくなってきました((>△<))あちゃー!!
もう適当です♪っていうのは嘘で(嘘かいッッ!!/ビシッ)
今回は初めにあったように「疑うことも必要」って事と「新たな発見」がテーマです。
全てに疑ってかかるというのはいけない事ですが、全てを信じるのというのもいけないような気がします
この世界は真実だけとは限りませんからね、嘘も存在します。これは怜が生きてて学んだことです。悲しいけど、それが現実ですからね;けれど、真実のほうが多いって信じてますよ!!(ぐっ
そして「新たな発見」ですが・・・これってすごく楽しい事だと思いません?
あれ・・・もしかして怜だけですか?(滝汗
人それぞれですが・・・例えば今まで道がなかったと思っていた所に道があって、そこ場所を誰も知らない場合
見つけたって嬉しさと、この先何があるんだぁ?っていう好奇心がある
毎日がそうだと、きっと楽しく過ごせたりするんじゃないかなぁ?って思うんです♪
そして、登場してまいりましたコートの男!!もう関西弁使いやすい☆もう使いまくりますよ〜!!(ニコリ
次もなんだかんだで活躍しそうな役ですしね;主人公危うしッッ!!(ひぃ〜
・・・今読み返してみると感想というより、妄想?(ぇ)
それにしても長いッッ!!何故に長いッッ!?今度から考えて打たなければ・・・(−△−;))
でわでわ、次に会える事を・・・(^▽^)ノシ